気に入った住宅会社と打合せを重ねると、ついに住宅会社を決めて契約をするタイミングがやってきます。1社だけで検討している方はすんなり契約に進めますが、2~3社で打合せをしている方はどの住宅会社で契約するか迷ってしまうと思います。
構造や性能、間取りや会社の規模など色々な観点から比較しますが、どこの会社も善し悪しがあって決められない状況に陥る方が多いです。今回はそのような状況になったときに、どの観点で住宅会社を決めればいいかをお伝えしていきます。
住宅会社を決められないときに検討すべき5つのポイント
性能や構造などは、各住宅会社で力を入れているところが違かったり、自社開発のものが多いですので中々比較しにくいと思います。その為、比較しやすい観点から冷静に検討することが大切です。
5つのポイントについて考える前に、まず初めに1記事目の最初に考えた「家づくりのテーマ」に沿ったマイホームが建てられる会社かを確認してください。自分達が何のために家を建てたかったのか、どんな家を建てたかったのかを振り返ることで、それを叶えてくれる住宅会社が見えてくることがあります。
振り返りが終わったら、5つのポイントを解説していきます。
担当者の信頼度
1番重要なポイントです。
担当者とは契約後はもちろん、住んでからも何かあれば相談する1番身近なパートナーです。その為、担当者との相性や信頼できる人かを見極めることはとても大切です。
今までの打合せの雰囲気や、電話の対応などはどうだったかを振り返ってみてください。
- 話のテンポは合うか
- こちらの疑問は常に解決してくれたか
- プロとして家づくりのアドバイスをしてくれたか
- 自分達の意見を聞いてくれるか
- 対応は早く、お願いに対して嫌な顔はしないか
- 子供も担当者に懐いているか
このようなことを確認してください。担当者も人間ですから、良い人でも自分達と合わない人もいます。この先もずっと信頼して関わりたいと思う人間性を持った担当者を選んでください。
金額
建物の金額ではなく、各住宅会社の資金計画がいくらなのかを確認してください。ポイントは、どの住宅会社が安いかではなく、自分達の予算に収まっているかを今一度確認することです。
打合せを進めていくと、担当者のトークに乗せられて自分達が思っている予算より高くなることがほとんどです。
そのまま契約まで進んでしまうと、契約後につけたいオプションが出てきても全く採用できなくなってしまいます。また、住んでからも予算オーバーのローン返済は生活を圧迫します。素敵なマイホームを手に入れることは大切ですが、家族全員が豊かな生活を送ることはもっと大切です。
冷静に各住宅会社の資金計画を見直して、再度自分達の予算を考えてみてください。そして、予算オーバーになっている住宅会社は候補から外しましょう。
会社(スタッフ)の雰囲気
打合せやイベントに参加した時の雰囲気を思い出してみてください。この時に感じた雰囲気の善し悪しは契約後に意外と大切になります。
なぜなら、家づくりに携わるのは担当者だけではないからです。
もちろん、1番身近な存在は担当者ですが、契約後は設計やインテリアコーディネーターの打合せがメインになります。さらに、毎回の打合せで子供の面倒を見てくれるスタッフがいるのかどうかは大きなポイントです。
また、現場が始まってからは工事監督、住んでからはアフターサービス担当者など多くのスタッフが関わってきます。
限られたスタッフとしか会う機会がないと思いますので、全てのスタッフのことはわかりません。ですが、スタッフの空気感は会社全体の雰囲気と似ていることが多いです。今までの打合せで見かけたスタッフの対応を思い返してみてください。
- 自分の担当以外のお客様にも挨拶をしていたか
- お客様と良い雰囲気で打合せをしていたか
- 施主だけでなく子供へも気遣っていたか
今後付き合う可能性のあるスタッフとの関係性はとても大切です。ぜひ自分達と合いそうな雰囲気かどうか、思い返して住宅会社を決める1つのポイントとして考えてみてください。
建築現場
住宅会社を決める前に必ず建築現場を見に行ってください。理由は2つあります。
1つ目は、近隣の配慮ができる会社かどうかを見極めるためです。
今後ご近所さんになる近隣住民は、施主以上にあなたの工事現場を見ます。現場の管理ができていないと、その後に住む方のイメージも悪くなりがちです。
現場に行ったときは、次のようなことを確認してください。
・安全面を考慮した配慮をしているか
子供が現場へ入れないように柵やシャッターで現場が囲まれているか、また、夜間の防犯ライト等が設置されているかなどをチェックしてください。
・業者さんが気持ちよく仕事ができる環境が整えられているか
ゴミを分別できるボックスが設置されているか、また、業者さんが休憩できるためのスペースを準備しているかなどを確認してみてください。
このような会社側の配慮ができているかを現場に行ったときは見てみましょう。どうしても建築現場を見に行けない場合は、担当者に現場への配慮を聞いてみてください。答えられなければ、営業側と現場側のコミュニケーションが取れておらず、悪いギャップがある場合も多いです。
2つ目は、業者さんの質を見極めることです。
施工技術のレベルを見極めることは難しいと思いますので、次のようなことを確認してください。
- 作業中も常に現場の整理整頓を意識しているか
- しっかりとした挨拶ができるか
- 業者さんが道路でたばこを吸っていないか
- 道路に車を駐車していないか
業者さんが休憩しているタイミングで見に行くことをおすすめします。
そうすれば、休憩前にしっかり片付けているかなど、どのような感じで休憩を取っているかを確認しやすいからです。また、休憩中であれば建物の近くまで行くことができるので、構造も見ることができます。
さらに、現場が家から近い場合は日曜日や19時頃に車で現場前を通って見てください。
作業時間がしっかりと守られているかを確認することができます。近隣の方と良好な関係を築くために、現場の質も住宅会社を決める際のポイントにしてください。
建物への信頼度
最後の検討するポイントは、建物への信頼度です。
いくつかの建築会社で迷ってという方は、それぞれに気に入る点があるからだと思います。
ここでは人間性や社風ではなく、構造や設備などの建物で気に入っている点を振り返ってみてください。そして、思い浮かべた構造や設備の信頼度について考えます。
例えば、あなたはA社の全館空調を気に入っているとします。その場合、気に入っている点と採用した時の不安点を書き出してみてください。
気に入っている点
- 冬暖かく夏涼しく過ごせそう
- 花粉症が解消されそう
不安な点
- 本当に効果があるのか
- 光熱費が思っているより高くならないか
- 短い頻度でメンテナンスできるのか
- 壊れた時、全部の部屋が暑く(寒く)なる
このように不安点の方が多くなってしまった場合、その設備は信頼出来てない可能性が高いです。
不安が多いまま建てると、何かあった時にやっぱりやめておけばよかったという後悔が大きくなります。
また1つの設備や構造に限らず、検討している住宅会社の気に入っている点と不安な点を改めて書き出してみることもおすすめします。
そうすることで会社に対する信頼度がわかりますので、会社を決めやすくなると思います。信頼できる会社であれば、建築中に何かトラブルが起きたとしても話し合いをしたり提案を受け、解決へ向けて進むことができます。
しかし、不安な点も残る会社ですと、トラブルが起きると会社に対する不信感が出てきてしまいます。心から信頼できる建物を建てる、住宅会社にお願いしましょう。
まとめ
マイホームを建てる会社を決めることは、とても悩ましく難しいことだと思います。しかし、最後の決断はしっかりと悩んで結論を出してください。
多くの時間をかけて打合せをしていると、かなりの体力を使いますので疲れてしまい、決断の時に冷静に判断せずに住宅会社を決めてしまうという方も多いです。それでは、長い時間をかけてきた意味がなくなってしまいます。
住宅会社と契約する前に、必ずこの記事を思い出して読んでください。きっとあなたに合った住宅会社を決めるための後押しになると思います。
そして、自分達に合った住宅会社と出会い、素敵なマイホームで幸せな暮らしを送れることを心から願っております。