小上がりの和室とは、1階や2階の床面から1段高さをつけた和室のことです。
- おしゃれな空間にできる
- 扉がなくても別空間に感じられる
- 腰かけられるから楽
このように様々な理由から採用する人がたくさんいます。
しかし、一方で空間が狭く感じるというデメリットもあります。
同じリビングの広さでも、フラットの和室と小上がりの和室では、前者の方が広く感じやすいです。
今回は小上がりの和室は狭く感じてしまう理由を確認し、空間を広く感じさせるためのコツをお伝えします。
小上がりの和室が狭く感じるワケ
では、なぜ小上がりの和室は狭く感じるのでしょうか。
理由は段差がある分、目線が上がってしまい圧迫感を感じるからです。
フラットの和室の場合、リビングと隣り合わせで配置すると一体感が出て、とても広く感じられます。
しかし、小上がりの和室の場合は、段差で区切りができるので一体感が出にくく狭く感じてしまいます。
また、一般的に目線が上がって壁の見える範囲が少なくなると、圧迫感を感じて狭く見えると言われています。
ローソファやローベッドが人気なのは、家具の高さが低くなるので壁の見える面積が広くなり、圧迫感を感じさせないという理由もあるのです。
小上がりの和室は、段差の高さに合わせて和室の収納やテーブルなどもすべて高くなります。
すると、見える壁の面積が狭まり圧迫感があるように感じてしまうのです。
これらを理解した上で、小上がりの和室があっても空間を広く見せるためのコツを考えていきましょう。
小上がりの和室でも空間を広く感じさせる3つの方法
では、空間を広く見せるための3つの方法をお伝えします。
小上がりの高さを工夫する
まずは、小上がりの和室の高さを工夫しましょう。
一般的には15~45㎝くらいの中から高さを選ぶ方が多いです。
低い方が段差の上り下りが楽ですが、高いと畳の下を収納として使えたり、腰がかけやすいなどのメリットもあります。
しかし、今回は空間を広く見せなければいけないので、高さは低めに設定しましょう。
おすすめの高さは20㎝前後です。
「広く見えるなら、もっと低くすればいいじゃない!」という声が聞こえてきそうですが、それはおすすめできません。
なぜなら、低すぎると視界に入りにくく、つまずいて転んでしまう可能性が高いからです。
物を持っているときなどは特に低い位置の段差は見にくいですよね。
高さが20㎝くらいなら、階段1段分と同じくらいなので人間が上り下りするのに慣れ親しんだ高さです。
また、20㎝ならそこまで高さがあるわけではないので、圧迫感があるというようなイメージを持ちにくいです。
小上がりの和室を適度な高さにして、安全かつ広く見える空間にしましょう。
和室の色を工夫する
2つ目の方法は、和室の色を工夫することです。
例えば、次のような色を明るめにしてみましょう。
- 収納の扉
- ドア
- 廻り縁や巾木
これらの色を明るくすることでクロスと一体感が増し、壁面が多いような印象になります。
すると、同じ広さでも広く見えるような錯覚を起こします。
下の写真で実際に確認してみましょう。
家事動線を意識した住宅│大牟田市 注文住宅の工務店 拓建ホーム (takkenhome.net)
こちらの写真はキッチンや扉、廻り縁や巾木などを全て白に統一しています。
設備や建具がまとまっている空間ですが、壁と同化しているので圧迫感がないですよね。
小上がりの和室でも、同じように白や明るい茶などの色味を基調とすれば、リビング全体を広く見せることができます。
ぜひ実践してみてください。
和室の収納・扉・窓を工夫する
3つ目の工夫は、和室の収納や扉、窓を工夫することです。
1つずつ確認してみましょう。
まず、収納についてです。
収納は壁が少しでも見えるような、吊りタイプがおすすめです。
重厚感ある木の住宅│大牟田市 注文住宅の工務店 拓建ホーム (takkenhome.net)
下側に空間のできる吊収納は空間を広く見せてくれます。
写真のように収納の下に地窓をつけることで、光を取り入れられるのでより明るく感じます。
色は先ほどもお伝えした明るめを選んだ方が、より広く見えるでしょう。
続いて、扉についてです。
扉をつけるときは、上の写真のような引き戸をつけましょう。
この引き戸は片引き戸3枚建という名前で、3枚の引き戸を開けたときに壁内にすっぽりと収まるタイプです。
全開にすれば和室の入り口が全て見えますので、かなり開放感が出て空間が広く感じます。
また、扉をつけないという選択をすることも、広く見せるための方法の1つです。
広々リビングと和室で落ち着いた雰囲気│大牟田市 注文住宅の工務店 拓建ホーム (takkenhome.net)
上の写真は扉がないことに加えて天井からの下がり壁もないので、とてもすっきりとした印象になります。
別空間という感じは弱まってしまいますが、広さの面ではかなり有効的です。
また、今回紹介した小上がりの和室の写真は3面を壁に囲まれていますが、2面や1面だけ壁にすることで開放感はさらに上がります。
最後は窓についてです。
可能であれば小上がりの和室には大きめの窓をつけましょう。
日当たりがいいと和室が明るくなり、それだけでも広く感じます。
また、窓から外の景色が見えると目線が抜けるので、空間が広く見えるという視覚的効果もあります。
ぜひ、収納・扉・窓を工夫して、広く感じるような素敵な小上がりの和室にしていきましょう。
まとめ
小上がりの和室は様々なメリットがありますが、空間が狭く感じるというデメリットもありました。
しかし、小上がりの高さや色を工夫すれば圧迫感は出ませんし、扉や収納についてこだわれば広く見せることが可能です。
今回紹介した写真の施工例は、すべて拓建ホームで実際に建ててくれたお客様の家です。
どれもお客様のこだわりが詰まっており、素敵な小上がりの和室が完成しました。
それぞれのご家族で和室の要望は異なります。
しっかりとお話を伺った上で、拓建ホームがお客様にぴったりな和室をご提案します。
ぜひお気軽にご相談ください!