契約前の打合せは住宅会社を決めるための期間と思う方も多いと思います。その為、その会社の特徴や金額などの比較しやすい項目に目が行きがちです。しかし、契約前に確定しておいた方がいい項目もあります。
また、契約前に注意して行動することで契約後にトラブルが起こりにくい関係性を作ることもできます。
今回は契約前の打合せについて徹底解説します。契約前の正しい打合せの心得をお伝えしていきます。
契約前までの打合せで気を付けるべき3つのこと
打合せ中はメモを取る
1記事目で紹介した家づくりノートに、毎回の打合せ記録をメモしましょう。
今の住まいに不満があり子供の成長を機に住宅購入を検討される方は多いです。マイホームでの暮らしを考えるだけで、楽しくてワクワクする気持ちになります。 しかし、いざ家づくりを始めようと思っても、まず何から始めたらいいのかわからないという不安も[…]
数社の住宅会社で打合せをしていると、打合せを重ねるごとに内容が濃くなり記憶が曖昧になりがちです。
最終的にどの住宅会社にお願いをするのかを冷静に判断するためにも、ノートに書きこむ作業はとても大切です。プランや資金計画、見積もりは住宅会社が資料をくれますのでメモする必要はありませんが、担当者とふとした瞬間に話した言葉が要チェック項目です。
メモするべきことの例をお伝えします。
- こちらの要望したものができるかできないか、いくら位でできるのか
- 工期はどのくらいかかるのか
- 業者さんや担当設計やインテリアコーディネーターの情報
- アフターメンテナンスの具体的な話
打合せの中で、担当者が体験談や具体的な例を入れながら話をしてくれる場面があります。
そのような情報は資料やパンフレットには載っていない、現場の生の声です。家を建てるときは意外とそのようなことが大切になってくることが多いですので、忘れないようにメモしておきましょう。
担当者の前ではメモを取りにくいという方は、終わってからまとめて書いても大丈夫ですが内容を忘れないように他社の打合せへ行く前に必ず書きましょう。
打合せを終えて、良いと思った点や気になった点なども書いておくと冷静に判断ができます。
担当者との連絡は基本電話にする
最近は担当者ともメールやLINEでやり取りする方も増えてきています。
時間やタイミングを気にせず連絡を取れたり、後から見返せますのでとても便利です。しかし、契約前は原則電話で連絡を取ることをおすすめします。
なぜなら、担当者の対応がわかりやすいからです。難しい依頼をしてしまったり、急ぎの対応をお願いした時の担当者の対応を見ておくことはとても大切です。
電話ですと声のトーンや早さ、口調を聞けば、相手が慌てているのかイラついているのかなどの感情を読み取ることができます。
ですが、LINEなどの文章ですとそれが伝わりにくいです。担当者の性格を理解できるまでは、電話で連絡を取るようにしましょう。
展示場の清潔感や担当者以外のスタッフの対応をみる
打合せへ行くと、ついつい担当者との会話に夢中になってしまいます。
その気持ちもわかりますが、毎回展示場を見渡すことが大切です。展示場へ入って打合せ部屋に行くまでに、掃除が行き届いているかをなんとなくチェックしてみてください
汚れが気になる場合は展示場だけではなく、事務所も乱雑としている可能性があります。その場合、書類や個人情報の扱いも雑になっているかもしれません。逆に展示場がいつもきれいだと、スタッフ全員が子供の扱いが丁寧だったり、細かなところまで気を遣えている可能性が高いです。
また展示場だけでなく、他に打合せをしている空間も見てみましょう。
特に契約後の打合せをしている家族は要チェックです。
なぜなら、打合せをしている設計やインテリアコーディネーターが、自分達の担当者になる可能性も多いからです。
きっちりとした印象で信頼をおけるタイプなのか、和やかで楽しく打ち合わせができるタイプなのかは、担当者によって大きく変わります。自分達が理想とする打合せと近いかどうかを確認できる絶好の機会ですので、逃さずチェックしましょう。
契約前までに決めるべき内容
次に、契約前に決めておく項目をご紹介します。
担当者は契約をしないと自分の評価につながりませんので、契約してからゆっくり決めようと考えている場合も多いです。その為、プランや金額も定まっていないまま締約を迫られることもあります。しかし、それでは契約してから思わぬ金額アップがあったり、いつ家が完成するのかわからないという状況が起こる可能性もあります。
次の4つのことを決めて、その内容に納得した上で契約するようにしましょう。
プラン、配置
棚の幅や扉の種類などの細かい内容まで全て決める必要はないですが、決定に近いところまでは完成させましょう。
間取りが決まっていないと、家の大きさや形、屋根の形状が変わってしまうことが多いからです。家自体の大きさや形、屋根の形状が変わってしまうと金額が大きく変わる場合が多いです。そうなると、予算オーバーしてしまい、気に入ったオプション品が付けられなかったということになりかねません。
また配置もある程度は決めておきましょう。
土地にプランを落とし込むと、排水経路や浄化槽の位置などを検討することができます。排水経路が長いと余分に費用を徴収されることがあります。また、浄化槽が庭の目立つところに設置されてしまい、素敵な外観を邪魔してしまう可能性もあります。
このようなことがないように、プランと配置は確定させてから契約することをおすすめします。実際には契約した後もプランや配置の変更はできますので、変更したい場合は担当者に相談すれば大丈夫です。
本体の金額
プランが確定した上での話ですが、本体の金額も必ず確定させてください。
金額を確定させるとは、値引き交渉を終わらせるという意味です。
契約後では値引きを中々してくれない担当者が多いです。なぜなら、契約前は自社で契約をしてほしいので大幅な値引きをしますが、契約後では契約した時の利益率を下げたくないからです。その為、値引きのお願いは必ず契約前に行い、契約時にプランでの金額を確定した上で契約に進みましょう。
希望するオプション品の金額
金額が確定したら、どこまでの要望がその金額の中に含まれているのかを確認してください。確認しておかないと、契約してからその設備はオプションですと言われて追加で費用が掛かる場合もあります。
金額が含まれていない設備やオプション品があった時は、それがいくらで出来るのかをしっかりと確認しましょう。予算内に建築できるからという理由で住宅会社を選んでも、オプション品が高額だと結局予算オーバーになってしまいます。契約後のトラブルにもなる可能性もありますので、事前に必ず確認してください。
スケジュール
契約前にはあまり意識しない項目がスケジュールです。しかし、契約後ではスケジュール組みはとても大切です。
請負契約書には着工や完成の時期を書く欄がありますので日付は書かれますが、この日付は参考程度の場合が多いです。
その為、契約書とは別にスケジュールの資料も用意しておいてもらうといいでしょう。着工までに月に何回くらい打合せをしなくてはいけないのか、銀行や日柄の関係で平日に仕事を休まなければならないかなどの具体的な予定を立てやすくなります。
また、スケジュールを確認したら工期が思ったよりも長く、希望するタイミングに入居できない可能性もあります。施主としても着工の時期が明確にわかっていると、それまでに打合せを終わらせようとやる気があがります。なんとなく打合せを進めているのでは本腰が入りませんよね。
スムーズにマイホームを完成させるために、契約前にスケジュールの擦り合わせをしておきましょう。
まとめ
注文住宅の打合せでは、契約後の打合せ量が多いイメージがありますが、契約前にもしっかりと決めるべきことはたくさんあります。
実際は紹介した4つの項目が決まっていないと、完全な住宅会社の比較はできていません。間取り・金額・オプション品・スケジュールのどれか1つでも「契約後に決めれば大丈夫です」と言ってきた住宅会社は、契約後に苦労する可能性が高いので注意が必要です。
契約前には、今回紹介した気を付けるべき3つのことを意識して担当者や会社の雰囲気を見極めた上で、4つの項目を確定させてください。そうすることで、自分達に合う住宅会社が選びやすくなると思います。